日本の音楽シーンとライブハウスの衰退。打開策とは?

ここ近年ライブハウスの衰退が進み、「日本の音楽シーンが危うい」という声を聞きます。果たして何が原因でこのような事態になっているのか、今日はこの件について少し辛口で一個人の意見を述べていこうかと思います!

「昔は良かった。」本当にそう?その時代によって変わる音楽シーン

昔の音楽シーンの話をすると、熱いバンドをライブハウス側が可愛がって育てて、どんどんライブやってライバルのバンドと腕を磨き合い技術を高め、集客を増やして高みを目指す!ライブハウスにもよくスカウトマンが来ていた。(僕は世代じゃないので実情は分かりませんが、ひと昔のバンドマンを経験していた方の多くからそう聞いています)
それに比べて今はライブハウスの敷居が低くなってきていて、高校生が発表会代わりの演奏をしていたり、特に集客もしないバンドがいたり、「音楽を見に来る場所」から「人を見に来る場所」になってきている。

という事がよく音楽の現場や他ブログ記事でも問題視されていますが、
それは問題ではなく、それを良しとしない事が問題ではないかなと思います。

ライブハウスに求めるニーズが多様になってきている

今やスマホの操作一つで世界と簡単につながることができる世の中です。
様々な面白いコンテンツも10年前と比べて圧倒的に増えてきましたし、今子供たちはTVではなくyoutubeを。
家庭用ゲーム機ではなくスマホのアプリゲームを。
20代の僕でさえついていけません(笑)

そんな中、音楽はどうでしょうか?
今やyoutubeではなくインスタなどのSNSで気軽にコンテンツの配信ができたり、聴きたい音楽はCDショップに行かなくえても検索すればその場でダウンロード。
昔とは全く違う世界です。

その中で音楽演奏については、技術の良し悪しで判断されず、誰もが楽しく演奏出来る場所が欲しいというニーズが増えてきていると思います。そこで利用するのがライブハウスです。
敷居が低くなってきたという事は、

「今まで音楽をやりたくても出来なかった」
「上手くないとステージに立てない 」

と思っていた方が楽器を手にとって、音楽を楽しめるようになってきているし、それをライブハウス側は感じ取っているのかも知れません。

僕は音楽講師をしていますが、レッスンで中年層の生徒さんに
「なんで今から音楽をやろうと思ったんですか?」と聞くと

「昔はエレキギター持っているだけで不良扱いされていた」
「ライブハウスも演奏に厳しいベテランの方々が多く出入りしていて、当時学生なのもあり怖くて人前で演奏する気にならなかった」

という答えでした。

果たしてこれを聞いても「昔は良かった」と言えるでしょうか?
もちろん例外もあるかと思いますが、僕からするとライブハウスでは

音楽の演奏がある程度できる人
もしくは向上心のある人

などの限定された狭いコミュニティの中にあったからそう思うのではないでしょうか?

ライブハウスの衰退を食い止めるには

有名なライブハウスが相次いで閉店したりとライブハウスは着実に衰退の一途を辿っています。
もちろん経営的な部分も大いにあるとは思いますが、ライブハウスは今までのように閉鎖的ではなく、様々な価値観を持った人が平等に楽しめる場所に変化してきているのだと思います。

そしてミュージシャンの方もそうでない方も知っておいて欲しいのは

・音楽に対する価値観は十人十色
・音楽をやってる人が全員プロを目指しているわけではない
・楽しみで音楽しているという人のほうが圧倒的に多い
まだ現場ではそれを汲み取れていないように肌で感じます。

例えば初心者歓迎のジャムセッションと言っておきながら、実際本当の初心者がきた場合にあまり歓迎されなかったり、イベントに関わる演奏家含めれ初心者に対するフォローがない。もしくは少ない。

確かに現場で慣れて叩き上げていくというのもわかりますが、趣味で楽しくやりたい人が果たして【辛い思いをしてまで音楽をやるのか?】と思います。
おそらく多くの方はやらないでしょう。

なぜかというとその人たちにとって音楽とは言い方は悪いですが、その程度のものなんです。
そしてその人たちがいるからこそミュージシャンは音楽の仕事をすることができます。

その方々のニーズを現場ではどれほど理解しているでしょうか?
その理解がなくただ一概に「日本の音楽シーンは終わっている」と果たして言えるのでしょうか?

日本人は元々音楽が大好きな民族です。

日本の町や地区毎に歌や音頭があったり、街に溢れるばかりの音楽が流れていたり、カラオケが流行ったりしています。
こんなにも音楽が好きな民族のはずなのに人前で演奏するのに気がひけると思ってしまう原因がどこかにあるはずです。

先ほど、理解がなくただ一概に「日本の音楽シーンは終わっている」と果たして言えるのでしょうか?
と言いましたが、仮に終わっていると言うのなら、民謡や童謡、演歌など、ちゃんと日本の音楽を聴いた事があるのでしょうか?

今和楽器は世界でも注目されてきていますし、海外ツアーを行う和楽器バンドも多くなってきています。
元からずっと日本には素晴らしい音楽文化が存在していたのに、それに気がつかなかった。

日本独自の音楽文化をもっと紐解いていけば、新しい風が起こるかもしれません。

日本の音楽シーンとライブハウスの衰退 まとめ

まだまだ演奏の腕を磨いていきたい、一流のミュージシャンになりたい!そういう熱い気持ちを持っている人ももちろんいます。

その人達がいなければ日本の音楽は進化していかないでしょう。
であるならばミュージシャン側もライブハウスの衰退問題をライブハウス側や周りに投げっぱなしにせず、ライブハウス側・運営者側の目線に立って策略やビジョンを共有し、異なるニーズをいかに上手く共存していくかを提案し実行しなければいけません。

各々が自分の価値観を押しつけてしまったら、本当の意味で日本の音楽シーンは終わりかもしれません。


○この記事の作者○
MusicSalon音雫〜おとしずく〜
music school音と樹-オトトキ-
LiMiC sound create 代表 宮田大輔

LiMiC sound create 代表
東京ミュージック&メディアアーツ尚美 専門学校 管弦打楽器学科 卒業
同校の音楽総合アカデミー学科 修了
公益財団法人さいたま市文化振興事業団 SaCLaアーツ登録講師
公益財団法人音楽文化創造 生涯学習音楽指導員ライセンス取得

クラシックパーカッションを松倉利之.日比一宏の両氏に、ドラムを大井澄東氏に師事。
ラテンパーカッションを増田博之氏、吹奏楽指導法を佐藤正人氏、
指揮法を広瀬隼人氏から学ぶ。

吹奏楽部や鼓笛隊、地域楽団でのレッスンを学生時代から行い
演奏家ではなく”教える専門”音楽講師として活動を行う。
音楽ワークショップの定期開催や講師人材育成、
イベント企画、地域活性化を数多く行う。


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